ルーシーママのスペイン便り

ルーシーは2009年にマドリッドに近い村で生まれたトイプードル、ママはえらい昔、日本に生まれ、長い間スペインに住んでるおばはんです。

戦う相手はコロナだよ! 政治争いしてる場合じゃないよ~

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(今朝の朝焼け)

 

も~、いいかげんしておくれ~! というのが今の気持ち。

スペインではコロナ感染が拡大し続け、一向に収束の気配が見えない中、ここのところ中央政府マドリッド自治州政府の「政治的戦い」が繰り広げられていて、そのせいで二転三転する感染対策措置にマドリッド州民が翻弄されています。

 

9月21日、マドリッド自治州が州政府としての感染対策措置を発出:ベーシック医療ゾーンという地域単位(ひとつのプライマリケアセンターに属す地域)ごとに10万人当たりの感染者数が1000名を超える地区に対して各地区からの出入りを禁じる自治州令を発出。ここで合計46のゾーンがロックダウンされる。

 

10月2日、スペイン中央政府がスペイン全土を対象に、10万人当たりの感染者数が500名を超える市単位でいくつかの感染データを基に判断して、各市からの出入りを禁じる厚生省令を発出。マドリッド州ではマドリッド市を含む合計10の市がこの出入り禁止制限の対象となる。マドリッド州はこの措置に反対の意を唱えるが、厚生省令は自治州令より優先されることから、州政府はこれを行け入れて感染対策措置を厚生省令に合わせて変更。しかしながら、10の市の市民の出入りを禁ずるロックダウンは基本的人権に反するとして厚生省令を裁判所に訴える。

 

10月8日、マドリッド州上級裁判所は自治州政府の訴えを受け入れ、厚生省令は基本的人権を侵害するため、マドリッド州における厚生省令に基づくロックダウン措置は無効と判決を下す。これを受けてマドリッド自治州内の規制措置は10月2日より前の状態に逆戻り。市民に混乱を招く。 

 

10月9日、中央政府の臨時閣僚会議が開かれ、「マドリッド自治州に限定した緊急事態」政令の発令が決定される。マドリッド自治州上級裁判所の判決よりも中央政府政令(緊急事態宣言)は法的優位にあるため、これによって、マドリッド自治州のコロナ対策措置は10月2日の厚生省令で定められた措置が再度適用される。

マドリッド自治州政府はこれに真っ向から反対し、10月2日以前の州独自の感染対策措置を採用すると主張(ロックダウンを適用するベーシック医療ゾーンの基準を感染率10万人当たり1000人から750人以上に引き下げ、合計51のゾーンのロックダウンとする意向)。

 

自治州政府が中央政府の「緊急事態」政令を受け入れれば、この法律に戻づく移動制限のコントロールは州政府に移譲されるのですが、現在のところマドリッド自治州政府はこれに反対していることから、本日、官報発令と共に「マドリッド自治州に限定した緊急事態」政令が発効し、法的強制力を伴う移動制限(マドリッド州内のマドリッド市を含む合計9の市に関して、その出入りを禁ずる)のコントロール中央政府が管理することになります。これを受けて、スペイン内務省は、国家警察と治安警備隊を合わせて7000名ほど動員してマドリッド州内のコントロールを実施すると発表しました。「緊急事態」政令という法的根拠ができたので、今後は違反した者には罰金が課せられる他、抵抗すると逮捕される可能性もある訳です。

 

スペインは10月12日が祭日なので、明日から3連休で出かける準備をしていたマドリッド市民などにとっては、直前で「待った」がかかった訳で、交通機関やホテルなどの予約キャンセルが相次いでいます。感染拡大が続く中、最も感染率の高いマドリッド市の住民が3連休を利用してスペイン国内や国外へ移動することのリスクは避けるべきだと、私個人としては思えるのですが、お上のお達しが二転三転して市民が迷惑を被ることには納得できませんねぇ。

 

しかし・・・・・政治的争いは抜きにして、中央政府自治州政府が一緒になってコロナに立ち向かってほしかったなぁ。 政治家の皆さん、戦う相手はコロナだよ!

 

おしまい