ルーシーママのスペイン便り

ルーシーは2009年にマドリッドに近い村で生まれたトイプードル、ママはえらい昔、日本に生まれ、長い間スペインに住んでるおばはんです。

コリーナ・ラーセン(Corinna Larsen)とは何者?

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 (ご機嫌ルーシー)

 

ここ最近、スペインでメディアの話題は、増え続けるコロナ感染者数と、9月から始まる新学期にどのような形で学校を再開するか、で占められています。

 そんな中、8月26日、ビジャレホ元警察官が関わった一連の事件の中の一案件「キャロル・ピース」の被疑者として召喚されていたコリーナ・ラーセンの召喚日が9月8日から9月28日に延期されました。スペイン全国管区裁判所のガルシア・カステジョン予審判事は、彼女の弁護団の要請(準備に時間を要するとする)や彼女の住む英国の司法システムなどを鑑み、この延期を承認したとのこと。

スペインを去った元国王がスペイン最高裁判所で行なわれている贈収賄捜査の対象となっている一方、その元愛人は全国管区裁判所が担当する予審捜査の対象となっています。ガルシア・カステジョン判事が追及しているのは、2015年に録音されたラーセンとビジャレホの会話で疑われる犯罪、つまり彼女の個人情報が彼女のアシスタントによって外部に漏洩されていた疑いをもとにビジャレホにアシスタントの捜査を依頼したか否かという点。判事は本人に法廷へ来るように求めていますが、ラーセン側はロンドンの彼女の弁護士のオフィスからビデオ会議システム経由で行うことを求めているようです。また、現時点では、共に召喚されているビジャレホらと同様、ラーセンはこの予審捜査を控訴している最中です。

 

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(お疲れルーシー)

 

さて、ここ数回投稿した記事でなんども登場する女性、コリーナ・ラーセンとはいったいどんな女性なのでしょう?

要約すると:ドイツ人、現在56歳、2回結婚し、2回とも離婚、2児の母。美貌と抜群のスタイルを持つセレブな女性。自らの魅力を発揮して社交界やジェットセットの中で人脈を築き、それを賢く利用してメディエーターとして活躍。最初の夫はイギリスの実業家、彼を通じて英国の社交界デビュー。次の結婚までの間に大富豪の御曹司とロマンス。2度目の夫はドイツの由緒正しい貴族、自身もプリンセスと呼ばれる。そして、次に交際したのがスペイン国王。

 8月25日の記事でラーセンがBBCの独占インタビューで話した内容を要約しました。どこまでが真実かわかりませんが、この記事を読むと、ある程度彼女のひととなりが分かる気がします。彼女の口から語られたインタビューの内容とは別に、現在まで彼女に関して存在している情報を以下に時系列でまとめてみました。

 WikipediaとスペインのLaRazon紙の情報を参考にしました。

https://es.wikipedia.org/wiki/Corinna_Larsen

https://www.larazon.es/gente/20200317/4z6dbl7n5zeavot7vpvo4xgopq.html

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1964年、フランクフルトに生まれる。国籍はドイツ人。父フィンはデンマーク人、母イングリッドはドイツ人。兄が一人、名はスヴェン・エリック。父はヴァリーグブラジル航空の欧州支局勤務。ジュネーブの大学で国際関係を学ぶ。

1984年、モナコ皇太子アルベルトと知り合う。以来、現在まで親しい友人関係を維持。

1985年、パリで暮らし始め、BOSSの広報PR担当として勤務、5か国語を話しアラブの富豪や各国の貴族のアテンドを担当。

1989年、25歳でイギリスの企業家フィリップ・アドキンスと結婚、イギリスで暮らす。

1992年、長女アナスタシア出産。

1993年、アドキンス氏と離婚。

2000年、36歳で2度目の結婚、相手はドイツで最も古い歴史を持つ貴族のひとつ、ザイン=ヴィトゲンシュタイン家の長男、ヨハン・カシミール皇太子(11歳年下)。プリンセスという称号で呼ばれるようになる。

2002年、長男アレクサンダーを出産。

2004年、ウェストミンスター侯爵領、ラ・ガルガンタで行われた狩猟イベントでファン・カルロス1世と知り合う。

2005年、ヨハン・カシミール・ザイン=ヴィトゲンシュタイン氏と離婚。 離婚後もヨーロッパなどの社交界でこのドイツ貴族の姓を使い続け(この一家から使用停止を命じられるが無視し続ける)、プリンセスと呼ばれ続ける。

アポロニア・アソシエイツ社(企業や政府機関の海外との取引におけるアドバイザ)を設立。

自らを経営者・実業家と称し、社交界ではその美貌と抜群のスタイルと聡明さで注目される。

2004-2007年にスペイン王家のクリスティーナ王女の夫、イニャキ・ウルダンガリン氏とメール交信、彼女が取引の仲介をしたこともあった。 

2006年以降、スペイン国王と関係がささやかれるようになり、スペインのメディアに彼女の名前が出始める。

2009年、スイスのスキーリゾート、ヴィラール・スル・オロンに、ファン・カルロス1世から借金して、275平米のデラックスな家を購入、ファン・カルロス1世が頻繁にこの邸宅を訪ねる。

2009年、セントラル・ロンドンの一等地、ベルグレイヴィアのイートン・スクエアにも240平米の家を購入。

2010年~2014年、マドリッドのサルスエラ王宮に近い、エル・パルドの森の中にある館、ラ・アンゴリーリャ邸に息子アレクサンダーと共に住む。

2012年4月、ボツワナの象狩りで、ファン・カルロス1世が転倒して大怪我を負う。急遽スペインへ帰国して手術。これを機にコリーナ・ラーセンの存在が知れ渡る。

レガッタではファン・カルロス1世に同行し、外国のセレブにはファン・カルロス1世の代理として対応。

ロシアやサウジアラビアの高官や企業家との取引では仲介役を演じる。

2013年、モナコに移住。アルベール2世のアドバイザ(妻シャルリンのイメージアドバイザ)となる。

2015年、ロンドン自宅にてビジャレホと話す(Juan Villalongaの紹介)内容を録音される。

2017年、ザイン=ヴィトゲンシュタイン家からこの家系の姓とプリンセス称号使用を提訴される。

2018年、カシミール皇太子が2度目の結婚をし、コリーナはプリンセスの称号を使えなくなる。

2018年7月、ビジャレホとの会話の録音が、スペインのメディア(OK Diario)で公表され、これを機にスイスのジュネーブ検察が資金洗浄の疑いから、彼女を含む数名の捜査を始める。

2019年3月、彼女の弁護団スペイン王室庁責任者に、パナマにあるLucum財団の存在とその受益者として国王フェリペ6世の名が登録されていることを知らせる書簡を送る。

2020年3月、スペイン最大のエル・パイス紙が 「6500万ユーロがファン・カルロス1世からコリーナ・ラーセンに寄付されていた」 とスクープ。

2020年7月、スペイン全国管区裁判所で、ビジャレホの一連事件の中の一案件、「キャロル・ピース」の捜査再開を決定、コリーナ・ラーセンも被疑者として9月8日に法廷に召喚される。

2020年8月、スペイン汚職検察(Fiscalia Anticorrupcion)がジュネーブ検察の協力で捜査を進めていた元国王の脱税と資金洗浄容疑の捜査に関して、ファン・カルロス1世の不可侵権のため、これをスペイン最高裁(Tribunal Supremo)に引き渡し、スペイン最高裁検察が同捜査を続行することになった旨を発表。

2020年8月3日、スペイン元国王、ファン・カルロス1世がスペインを出国した旨を王室が公表、行方は不明。

2020年8月17日、ファン・カルロス1世はアラブ首長国連邦に滞在していることをスペイン王室が公表。

2020年8月20日コリーナラーセンがBBCに許可した独占インタビューの内容がイギリスにてオンエアされる。

以上です。

 

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おしまい