ルーシーママのスペイン便り

ルーシーは2009年にマドリッドに近い村で生まれたトイプードル、ママはえらい昔、日本に生まれ、長い間スペインに住んでるおばはんです。

スペインの祝日と小売店の営業日

1)スペインの祝日;
今、日本の祝日っては年間何日なんでしたっけ、カレンダーで見ると15日あるようですね。
スペインはしょっちょうお休みがあるように思われがちですが、なんと年間の祝日は日本より1日少ない14日です。
ただ、これがちょっとややっこしいんです。日本だと、北海道も九州も国民の祝日は一緒、日本中どこに行ってもお休みの日はお休みですよね。ところがスペインは住んでいる場所によって祝日が違うんです。
年間14日の祝日の内、全国共通が8日、各自治州指定が4日、そして各市町村(Municipio)指定が2日
となっています。
これを理解するには、スペインの行政機構を知る必要があります。スペイン国家の中央政府の下に、17の自治州がありそれぞれを自治州政府が治めています。ひとつの「自治州」はひとつまたは複数の「県」から成っていますが、「県」には行政組織はありません。各自治州の下に「Municipio」と呼ばれる地方自治体があり、これは日本の市町村に相当します。そして各Municipioは行政府(日本の市役所、町役場などに相当)を持っています。例えば、マドリッドは、マドリッド県というひとつの県からなるマドリッド自治州(人口650万)に7つのMunicipioが存在し、そのひとつがマドリッド市(人口390万)。バルセロナは、バルセロナ県、タラゴナ県、レリダ県という3つの県から成るカタルーニャ自治州(人口630万)にあるたくさんのMunicipioの内のひとつがバルセロナ市(人口170万)なのです。
さて、祝日ですが、例えば2011年、マドリッド市に住む人は、スペイン全国共通の8日の祝日と、マドリッド自治州だけの祭日4日(4月21日、5月2日、6月23日、7月25日)と、マドリッド市だけの祝日(9月9日と11月9日)を足した合計14日がお休み。バルセロナ市に住む人だと全国共通の8日の祝日とカタルーニャ自治州だけの祭日4日(4月25日、6月13日、6月24日、12月26日)とバルセロナ市だけの祝日(3月7日と9月24日)を足した14日がお休みとなります。これだけでも十分ややこしいのですが、さらに全国共通8日/自治州指定4日/Municipio指定2日のいずれも毎年同じ日とは限りません。ぞれぞれ中央政府自治州政府、Municipio政府が年度ごとに、日曜と重ならないように選定します。自治州とMunicipio指定の祝日はおおむねその州やそのMunicipioの独立記念日や伝統行事や宗教行事に関わりのある日が選定されます。
なので、うっかりしていると、「えっ!明日祝日なの?!」なんてこともたまにあります。
さて、祝日の数だけで言えば、日本より1日少ないスペインですが、「プエンテ(Puente)」というものがあります。Puenteとはブリッジ、橋という意味のスペイン語週休二日制で土日のお休みの前後、金曜が祭日とか月曜が祭日だと連休になるのは日本でも同じですが、例えば、木曜が祭日とか火曜が祭日という時に、金曜もお休みにして木金土日の4連休とか、月曜もお休みにして土日月火の4連休にしちゃうということが「習慣」として認められているのです。場合によってはプエンテとプエンテをくっつけて本州四国連絡橋みたいな長大なプエンテを取っちゃう人も結構あります。職場でも年間のプエンテの可能性を予め見ておき、スタッフ間で協力しながらぞれぞれが順番にプエンテを取れるようにしているところもあります。


2)小売店の営業日
ところで、日本では街へ出てショッピング、というのはお休みの楽しみ方のひとつですが、スペインでは日曜と祝日は基本的にデパートやブランドショップなどのお店もお休みです。商売っ気がないという気もしますが、レストランなど飲食店以外のサービス業は、基本的には日曜と祝日は閉まります。しかしながら、人々の生活パターンの変化に伴ってより大きな利便性が求められるようになると同時に、ヨーロッパ連合の行政主導でサービス業の自由化が推し進められたことによって、スペインでも少しずつ小売業の営業可能な祝日数枠の拡大と営業時間の延長が進んでいます。ここでも再度、行政機構を思い浮かべながらの話になりますが、まずEUでボルケスタイン要綱というサービス業自由化の指針が示され、EU加盟国はそれぞれの国でこれを具体的な法律や条令にするよう指示されます。スペイン中央政府は、この指針に従って自由化の具体策を作る権限を各自治州政府に委譲したので、各自治州政府はそれぞれが独自の条例で営業可能な日曜祝日枠と営業時間を策定しますが、州によって自由化の進み具合が異なります。まだ自由化条例が決議されていない州もある一方、非常に自由化が進んでいるところもあります。最も自由化が進んでいると言われるマドリッド州では、営業可能な日曜と祝日の日数枠が年間22日ですが、それ以外の自治州の平均自由化枠が年間8日なのを見れば、いかに自由化が進んでいるかが解ります。また、同州では22日の上限を超えて年間365日営業可能とする例外を3つ設けていますが、それらは、①売り場面積300平米までの店舗、②書籍およびCD/DVDなどのメディア製品を扱う店舗、③観光客などの往来が多い特別例外地域と指定されたエリアにある店舗、となっています。こういったことを念頭におくと、ある特定の日曜や祝日に、マドリッド州ではお店が開いてるのに、バルセロナでは閉まっているとか、同じマドリッド市内でもカリャオ広場のエル・コルテ・イングレスは開いているのに、アルグエリェスのエル・コルテ・イングレスは閉まっている、ということが理解できますよね。


グリーンフットルーシー!
ところで、いったいいつまで夏の延長のような異常気象が続くのやらと危惧していましたが、ここ1週間ほど、やっと秋らしい気候になってきました。小雨が降ったり、雲間にかっと太陽が照りつけたり、かと思うと凄い雨と風になったり・・・まさに「女心となんとやら」。晴れ間を見つけてルーシーと散歩にでるのもなかなか大変です。
先日、10月末のまだまだ雨のなかった頃、朝早く朝日の中とっても気持ちよく散歩してた時のこと。朝露を含んだ刈りたての芝生に嬉々として飛び込んだルーシー、短い足は当然びっしょり芝色に染まる。そして今度は砂場へ突進、続いてカラカラの誇り舞う小道を走り回る・・元気なルーシーの嬉しそうな姿を見るのはこっちも幸せな気分になるのですが、その結果がこれ。
砂まみれのみどり足犬か? 帰宅後、お風呂場でシャワー、タオルドライ、ドライヤー、ブラッシング。仕事を増やしてくれちゃってまったくもう!



刈りたてジューシー?芝生にダイブ



そして今度は砂場へ



その結果、こんなになったのよね


観念しな、シャワーだよ。