ルーシーママのスペイン便り

ルーシーは2009年にマドリッドに近い村で生まれたトイプードル、ママはえらい昔、日本に生まれ、長い間スペインに住んでるおばはんです。

国会解散と憲法改正(デフィシットセロ) 

9月27日(火)
ザパテロ首相が今日、国会を解散し、11月20日の総選挙が正式に発表されました。
今年夏前までは、来年3月まで任期を全うすると断言していた首相でしたが、党内外からの様々なプレッシャーの下、ついに7月29日には総選挙を11月に前倒しにすると明言。以後、次期首相候補に選ばれたルバルカバ氏が実質的に社会労働党(PSOE)を統率し、政府内でも党内でも孤立感を否めなかったザパテロ氏、11月の選挙には国会議員候補リストにも立候補せず、政治の第一線から距離を置くらしいです。

また、今日は正式に憲法改正の調印が行われた日でもあります。8月末、一連のソブリン債権危機を食い止めるべくECBによるスペイン国債の買い支えなどEU支援の代償として、デフィシットセロの憲法規定を突きつけられたザパテロ首相、最大野党PPと結んで、8月中に国会(下院)の圧倒的過半数の賛成を得て可決、その後も様々な分野から「憲法改正には国民投票をすべき」という意見が挙がるも、PPを始めとする野党と連携して、上院でも圧倒的過半数の賛成で可決。その結果、結局は国民投票なしで憲法が改正され、デフィシットセロ(詳しくは8月25日の記事参照)が憲法に成文化され、今日、国王の前、上院と下院ぞれぞれの議長、および政党党首が列席する中、首相自らがこの憲法改正の調印式を行った次第です。国民投票なしに反対した政党の党首らはそろって欠席。民主化後のスペインで1978年に制定されたスペイン憲法が改正されるのはこれが2回目。1回目は1992年、EUのマーストリッヒ協定に適合すべく国民投票での賛成を得た改正で、華々しい調印式が行われたのに比べ、今日の調印式がひっそりと行われたように感じるのは、やはり多くの国民が納得していないという背景があるからでしょう。

そうそう、先週、マドリッド市内とバラハス空港を結ぶ近郊鉄道の新路線C-1ラインが開通しました
新聞に記載されていた情報の抜粋:
バラハス空港の第4ターミナルに乗り入れるT4駅では近郊鉄道C-1路線のホームと地下鉄のホームが平行して隣接している。
T4駅のCercaniaC-1ホームには線路が3本ある>AVEが乗り入れた際に使えるように(Cercania広軌/AVE狭軌で幅がちがうので)
C-1の停車駅:P.Pio > Piramides > Delicias > Mendez Alvaro > Atocha > Recoletos > Nuevos Ministerios > Chamartin > Fuente de Mora > Valdebebas > T4
C-1のBillete SencilloはP.PioからT4まで2.15ユーロ
T4までの所要時間:P.Pioから38分/Atochaから25分/Nuevos Ministeriosから18分/Chamartinから11分
運行頻度:30分に一本
T4からT2およびT1への移動は無料バスを運行。
始発と最終:P.Pioから05h15/23h32 T4から05h59/24h15
マドリッドの中心地であるPuerta del Solからだと、一回乗り換えが必要になるけれども、マドリッド市内の南部に住んでいる人には一本で空港まで行ける可能性が増えたので、少しは便利かもしれませんが、既に地下鉄も乗り入れていたし、市内の高速鉄道駅と空港を繋ぐ直通バスも運行していたので、このC-1がどこまで必要不可欠だったのか・・・・・今後はさらに経費削減の締め付けが厳しくなり、限られた予算の中でどこにお金を割り振るかの事業仕訳が厳しさを増してくることでしょうが、必要不可欠でないインフラ整備にかけるお金があるのなら、教育や医療の予算に回して欲しいものです。