ルーシーママのスペイン便り

ルーシーは2009年にマドリッドに近い村で生まれたトイプードル、ママはえらい昔、日本に生まれ、長い間スペインに住んでるおばはんです。

ルーシーの歴史(8) 2010年3月19日 ルーシーの記念日

2010年3月19日、その日は祝日、聖ヨゼフ(スペイン語ではサン・ホセ)の日でした。キリストのお父さんホセにちなんで、スペインでは父の日でもあります。ここ数日、ルーシーにいまひとつ元気が無い、公園に散歩に行っても、他の犬が見えると公園に近づこうともしないで尻餅をついて動かない、という感じでしたが、その訳が解りました。そう、ルーシーも女の子になったのです。出血してるところを気にして時々舐めているし、人間と同じで生理になるとやっぱりお腹が痛かったり気分が塞いだりするのでしょう、いつものおてんばルーシーとはえらい違いです。ルーシーママも雌犬を飼ったことがなかったので、初めての経験でした。
このしばらく前から、ルーシーのパパとママは彼女に避妊手術を受けさせるかどうかで揉めていました。ママは周りの犬を飼っている知人や獣医さんたちから「避妊というだけでなく、子宮や乳腺の病気に罹らないようにするためにも是非するべき」と勧められて、手術に賛成。一方のパパは「自然の摂理に反するし、体にメスを入れて負担をかけたくない。それに避妊手術後にホルモンバランスがくずれて太ると言われている」ということで反対。獣医さんから、手術するなら乳腺が発達する前、最初の生理が始まる前にするのがベストといわれていたのですが、もう後の祭り。
1ヶ月の発情期が終わった頃、ようやくパパを説得して避妊手術を受けることに決定。
獣医さんに指定された5月某日の朝、ルーシーを病院へ連れて行き、先生に預けて、夕方引取りに来ますと行って、家に戻ると、その先生から電話。熱があって白血球が多いようなので、手術は延期との連絡だったので、再度病院へ。白血球が多いので抗生物質を飲ませ、1週間後に様子を診ることに。
その後、白血球の数値が下がり、6月末に再度手術することにしたのですが、予定日の数日前にルーシーママが急遽日本に帰ることになってしまい(日本の母が緊急入院したため)、ルーシーの手術はまたもや延期。
9月に2回目の発情期を経て、11月に再度、避妊手術に挑戦。今度こそ、と当日朝、獣医の先生に預けて家に帰ると、先生から電話、「術前に念のために行う血液凝固検査で、ルーシーは血液凝固に問題があることが解ったので手術は中止」とのこと。またもや、手術台まで行って、中止です。
いずれの血液凝固因子に原因があるのかを調べるため特殊な血液検査をしたのですが、通常の因子には問題はなく、原因究明のためには詳細な検査が必要となり、それは特殊な施設に行って行うことになるので時間とお金がかかるし、先天的な因子の場合はいろんな検査をしても最終的に原因を突き止められないことも多いとのこと。ルーシーの場合は先天的に血液凝固連鎖のどこかの因子が欠落している可能性があるし、肝臓も弱く、免疫力も比較的低いので、避妊手術のような多量の出血を伴う可能性のある外科手術は勧めない、との先生の見解だったので、パパとママはルーシーには避妊手術をさせないことにしました。
かくして、2回までも手術台まで上りながら、結局ルーシーは避妊手術から逃れた次第です。
血液凝固因子の異常という先天的な宿命を持つルーシー、その体の中に組み込まれるDNAがそうさせるのか、とっても臆病というか、とにかく危険なものや場所や動物には絶対に近づきません。とはいうものの、ルーシーはめっちゃおてんばでめっちゃ元気です。ただ、パパもママも、怪我をさせないようにとすご〜く気をつけてます。


パパとルーシー 


メランコリーなルーシー


ルーシーは男嫌いなのか、こんな風にオスのワンちゃんと挨拶するのは珍しい。


ちっちゃいルーシー


どアップルーシー