ルーシーママのスペイン便り

ルーシーは2009年にマドリッドに近い村で生まれたトイプードル、ママはえらい昔、日本に生まれ、長い間スペインに住んでるおばはんです。

福島原発

3月17日(木)
新潟の実家は柏崎刈羽原発のすぐそばにあります。実家に帰った時、原発から支給されているという「安定ヨウ素」が常備されているのを見て、驚いたことがありましたっけ。
新潟の実家は震度6の余震があったけど、直接被害なかったようです。日本は大抵の揺れには耐えられるけど、M9という規模とあの津波は想定外。その想定外がよりによって日本で最も古い福島原発に押し寄せた訳ですね。仕事の合間にパソコンの前にへばりついてNHKWorldやらUStreamのTBSの特別報道番組をずーっと見てますが、ほんと、とんでもないことになってますね。

甚大な人的被害と物的被害だけでも日本にとって大打撃なのに、さらに原発の冷却装置事故が株価の暴落を招き、日銀の即時大幅介入にも拘わらず株式市場の混乱は止まらない。冷静な対応をと呼びかける日本政府、一方で欧州原子力安全委員会の委員長の「Un estado Apocalitico, Un desastre inminente」と 挑発的とも取れる発言に欧州では過度に反応してる感じがします(まぁ、これも政治的意図が背景にあるのでしょうが)。まるでチェルノブィル扱いです。ドイツは誰よりも先にドイツ人を日本から退去させると発表し、Lufthansaも成田発着を止めました。フランス、イギリスも続々とこれに続いているようです。「東京は危険、一刻も早く日本を脱出せよ」とヨーロッパの国々の政府が指示を出している一方で、日本政府はあくまでも現時点では半径30kmより外は健康被害の危険なしとしている。
EUの過激反応は北米や南米にも感染してるし、中国もEUと同様、中国人に一刻も早く日本を脱出できるよう輸送手段を着々と準備してるしね。
じゃあ、東京に暮らしてる人たちは一体どう感じてるんだろう?原発停止のため東京電力の電力不足による計画停電で不便な面はあるだろうけど、皆粛々と働き、黙々と暮らしているように見えるのだけど?ほんとうにEU諸国政府が言うようにチェルノブィル級の危険な状況なのでしょうか?
とにかく、一刻も早く原発の炉心が冷却できるようになることを祈るばかりです。

福島原発Iの6つの原子炉の現状、どんなに日本のニュースを見ても今ひとつ解らなかったのですが、こちらスペインのEl Pais紙に図解入りの時系列の解り易い説明が2ページ前面抜きで掲載されていました。柏崎刈羽が7つの原子炉を持つ日本で一番大きな原発であることをその記事で始めて知りました。福島原発は6つの原子炉を持つ2番目の規模だった訳ですが、海水を入れた4基は全て廃炉となるのですね。

原発の問題が全てのネックになって、津波地震の被災者への支援活動も被災地の復旧活動も思うように進まないのが見ていて本当に辛いし悲しいです。
スペインの赤十字では地震の直後から義捐金受付を開始しています。私も早速ネットから寄付しました。Inditexのような企業がポーンと寄付してくれるのも嬉しいですが、スペイン中の普通の人も少しずつでも寄付してくれたら、大きな支援になるでしょう。ほんと、ここからできることはそれくらいしかないです。